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闇夜の効率性

本腰を入れた作業というのは、日がとっぷりと暮れてからでないとやる気が起きない。
昼間は変に気が急いて落ち着かないのである。特に外が快晴だったりすると、とても部屋の中で仕事をしていられない気になる。特に用はなくてもどこかに出かけなければならない衝動に襲われるのだ。
そんで大して用もないのに食事をしにでかけて、けっこう時間を浪費してみたりする。

夜になると落ちつくのはきっと、静止した世界だからだ。
夜というのは陽が出ていないので(むしろ日が出ていないのを夜と定義しているのか)、まず視覚的な時間の経過がない。月の傾きは陽の傾きほど重要視されない。
そして、夜中には緊急でもないかぎり、連絡をとらなければならないことなどない。銀行やら役所やらはことごとく閉まっている。したがって「今、この時間帯にしなければならないこと」というのがない。諸々の雑務を翌日以降に後回しにして良い口実が成立する。
さらに、夜というのは一日が終わり就寝する時間である。つまり、床に就かないかぎりその日は終わらないのだ。睡眠時間を削ることにはなるが、寝入るまでは時間を産出できるのである。

以上のきわめて感覚的な理由により、夜になると「よし、そろそろ仕事に取り掛かるか」と気持ちが乗ってくるのである。
昼間はぼけーとしているわけではなく、傾いていく陽に焦燥を感じている。感じているだけで、なかなか行動が伴わない。強迫観念にさいなまれ続ける悲しい性格である。

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