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サミットとロッカー

実際の成果について浅学な私は全く論じられないが、洞爺湖サミットの評価について、首相が無難すぎるコメントをすることは開催前から分かりきっていたことではある。
それはいい。

サミットの期間中、都内のJRや地下鉄の駅構内の全てのコインロッカーが使用禁止になっていた。サミット開催にあたって危惧されるテロ対策だそうだ。
普段はロッカーを使う機会などないのだが、先日偶々かさばる荷物を持ってうろうろしなければならなかった私は、ロッカーの貼り紙を読んで途方にくれた。何しろ日本地図を再構成しなければならなかったからだ。

「洞爺湖って、北海道だよね?」

そしてここは東京。各国首脳が航空機を乗り継ぎするにしたって成田だろう。それともサミットの名前に洞爺湖と冠しているだけで、実は会議そのものは東京で行われるのだろうか、などと考えてみたりもした。
だいたいテロを起こそうと思ったら、ロッカーを封鎖されたところでいくらでも取れる手段はあるものだ。羹に懲りて膾をふくような頭の弱い対策である。
不便を強いられた一市民であるところの私は、非常に納得しがたいものを感じたのである。

とは言え、先進国首脳が鳩首している間に、サミット開催国たる日本に世界からの注目度が高まっているということは、世界のパワーバランスの転覆を図らんとするテロリストの標的になりうるし、狙うとするならば被害が最も甚大になりそうな首都・東京であることぐらいも分かる。だから、サミットの舞台が北海道なのに、東京でお巡りさんがおっかない顔でうろうろしている理由だって分かるし、ロッカー封鎖も実効的な意味よりもテロ対策への取り組みをアピールして抑止力にするという副次的効果があるからやっているんだというのも分かる。

ただ、国家の都合で個人の都合は簡単に潰されてしまうものなのだ、ということを実感を伴って感じたのである。
こう書くと今の共産党っぽくなるが、個人なんてそんな存在だというさめた認識が私にはあるので、それについてどうこうすべきだという意見は持たない。
感じたことをもう一点。いつの間にかテロが、一般的な起こりうる現象になっている、ということ。アメリカ政府によって「テロと戦う正義のリーダー国、アメリカ」が世界の構図に据えられて以降、日本でもその図式がすっかりと定着してしまった感がある。
「だいたいテロリストなんて、日本のどこにいるんだよ。ナイフ振り回して通り魔するか、自殺するかというところまで追い詰められてしまう人間を大量生産してしまっている構造の方がよっぽど重大問題じゃないのか」とかいう疑問は、貼り紙を見ても湧かないのだろうか。

なんだか久しぶりに抽象的でないことを書いた気がする。

Comments (Close):2

aya 08-07-12 (土) 14:00

具体的な回だから私でもコメントできる!と思って馳せ参じました(笑)
私もロッカーが封鎖されているのを見て、洞爺湖って東京だっけ?って思っちゃったよ
自動販売機も使用中止にされていたしとても不便でござりました

玄鳳 08-07-13 (日) 10:24

コメントありがとう!w
そうか、自販機も使用中止だったんだ・・・どうやって自販機でテロをするか考えてみようかww

(むろん、ジョークでw)

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