空間的には目のついている方向を「前」と呼び、その反対方向である背中の側を「後」と呼ぶ。
空間的な前後関係は単純でわかりやすいが、時間的な前後というのはこれよりわかりづらい。「~より前」と言った場合、時間的には基準より古い時点を指し、「~より後」はより新しい時点を指す。
解せぬことに、時間の進む方向を「前」とは呼ばずに「後」と呼ぶのだ。
ちなみに「先」という言葉も、「前」と同様に空間的には(変な表現だが)向かっている方向を指し、時間的にはより古い時点をいう。
なんてことだ、われわれはいつだって過去を向いているのだ。未来に向かって歩んでいると思っていたのに、ムーンウォークを見せられたような不思議さだ。
だが、よく考えると尤もなことで、目は前にしかついていない(というか、目のついている方が前)のだから、過去のことしか見えないのが至極当たり前に思える。すると、「過去を振り返る」という表現は適切ではない。振り返るのは過去ではない、われわれのいる今この瞬間の後にある未来だ。
そう、前向きに将来を展望するなんてことは、不可能。未来とは、振り返るもの。
では、未来を振り返るとはどういうことなのか?未来を振り返ることなんてことができるのか?
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