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レビュー Archive
女の一生
- 2008-07-01 (火)
- レビュー
純真な貴族の女の抱いていた輝かしい人生の希望が、度重なる裏切りと挫折に無残にも打ち砕かれていく一生を描いた受難劇。
でありながらも、それはよくある話としてアイロニカルに語られる。この作品の趣旨は、最後の一文に尽きる。
これぞ純粋没入者の生きる道である。いつ何時でも襲いうる予期せぬ不幸に、超越的な視点を一切持たない彼女は、「ありえない」事態にただひたすらに振り回され打ちひしがれる。自分の人生を数あるうちのありがちな一つとしてではなく、単一なものとしてしか捉えられない、単純な没入的生き方を肯定しえない所以だろうか。
だが、そうやって幻滅しながらでも、人は生きてゆけるというのも皮肉である。
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ニーチェ―ツァラトゥストラの謎
- 2008-05-09 (金)
- レビュー
ツァラトゥストラ読解にもってこいの一冊。
直線的な理解を許さない『ツァラトゥストラはこう言った』を、丁寧に解説してくれる。むろん、固定的な解釈を回避する書であることを念頭に置いた上で。
あとがきがカッコつけすぎだが、いかす。
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Locks
- 2008-05-09 (金)
- レビュー
メロディーも良いけれど、今回は歌詞が気に入った。ピンと来るメタファーが散りばめられていてわくわくする。
とくに「ふたり」の歌詞は、洒落(言葉に宿る二重性)を使いながら同一性への回収を拒否するという、最近の私のテーマと被っていて、かなり感動する。
・・・そうか、だから”Locks”って複数形なのか。
でも、だからってCDを3タイプ用意して「揺らぎ」を与えているわけじゃないよね・・・制作上の意図ではなく、明らかに経営上の意図だよね。
初回限定版を2枚もリリースすることが、ファンへの冒涜になることをそろそろ分かっていただきたい、GIZAには。そう思いながら、ジャケットのために買ってしまう俺ガイル。ジャケットはそれなりにかっこよいと思う。まだ通常版は未購入だけど。
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宇宙を味方にする方程式
- 2008-04-28 (月)
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いかに幸せに生きるべきか―それは現状をありのままに全て肯定することである。
幸せ・肯定を提示した時点で、その対概念としての不幸・否定が生じることの問題については触れていないけれど、おおむね正論だと思う。
もっとも著者もその落とし穴に重々気付いているはず。だから、ダジャレとか「よくわっかんない」とか言って、自身の発言をネタ化しているのだろう。
夢も希望もない世界、万歳!
未来を肥大させて、いまこの刹那をないがしろにすることなかれ。
彼の本には相変わらず良いことが書いてあるが、同時に読む必要もない本でもある。努力・作為の放棄によって「必要」が消滅するという意味で。
(当然ながら「啓発」のジャンルに入れるべきではない本)
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朗読してみたい中国古典の名文
- 2008-04-23 (水)
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漢詩、経書、史書、兵法書、故事成語など古典の名文を選りすぐって紹介している。訓点付きの漢文、書き下し文、現代語訳に加えて解説が掲載されている。
外国語であるはずの漢文を、日本人が自分たちの言語で理解するために読み下した文が訓読文。いわば自分たち用に曲げた読み方ではあるのだが、それでも独特のリズムが美しい。特に漢詩は朗読するのにはとても良いと改めて思った。
読みどころとして、文章が書かれた背景などが説明されているので、切り取られた文章のみからでは読み取れない味わいを提示してくれている。要所で入る著者の客観的なツッコミがまた楽しい。
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ゾロアスター教
- 2008-04-19 (土)
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ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』の研究のための参考として読む。
ちなみに、ツァラトゥストラ(Zarathustra)は、ゾロアスター教(Zoroaster)の開祖ザラスシュトラ(Zaraθustra)のドイツ語読み。ゾロアスターはギリシャ語読み。
教義や儀礼祭司についてはそれほど詳しくないが、ゾロアスター教の変遷が掴める。本の趣旨としては、ゾロアスター教を中心とした古代アーリア民族の宗教の描写にある。
専門の研究者の手による書だけあって、きちんとした客観的研究成果を踏まえているようだが、かといって堅くはない。むしろファンキーな感じさえする。著者の人柄だろうか。
ヨーロッパにおいてかなりの関心を誘ってきた宗教だということが分かり、直接あるいは間接に世界に与えた影響力を推察してみるのもなかなか興味深い。
もっともニーチェの『ツァラトゥストラ』は、ザラスシュトラの思想とは直接関係はないので、本当に参考程度にしかならない。それでも、ニーチェがザラスシュトラに仮託して語ろうとした思想との接合点を見出せて楽しかった。
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