- 2007-05-14 (月) 3:34
- レビュー
NEET本来の定義から逸脱して語られる「ニート」・・・
その言説の異常さを明晰に指摘し、ニートを問題視する風潮に大きな欠陥があることを喝破している良書。
人情的にニートを擁護するための書ではない。
ニートがいいかどうかはともかく、ニートを悪者にして騒ぐことで注目を集めて利益を得ている業者、ニートに社会不安の元凶という濡れ衣を着せてなんとか自己の安定を図ろうとする大衆に対し、その愚かしさに警鐘を鳴らそうとしている。
こういった煽動に惑わされず、自らの頭で考え、堂々と多数派に反論できる人が増えてほしいし、自分もそうでありたい。
「ニート」言説から、より普遍的な社会の構造異常を指摘している点も評価に値する。
欲を言えば、ニートの存在は戦後からの自由資本主義の価値観が変容しつつあることの現れであり、世のニート論はその変化の揺り戻しであることにも触れてほしかった。
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