玄鳳のハネ思索書評作品三国志

世界はまわると言うけれど

フリークが何を言っても大して意味のある評にはならないんだけど、うん、最高だね。寒くなる季節にぴったりの人恋しくなるメロディーだね。そして歌詞もいい。

まわり続ける世界と、それに同期していない私の存在。浮遊している自分を見つけたときの、恍惚に似た違和感。
高層ビルの展望台から大都会の夜景を眺めているときに感じるあの感覚に近い。この街の光の一つひとつに無数の人の営みがあって、ごく一握りの人の思惑と大勢の人の汗によってこの景観は成り立っていることに想いをいたす。
私だってこの街の一部に組み込まれていることに間違いはないんだけど、こうやって高いところから俯瞰していると、今後この光の束の礎の一つを担わなければならないことに全く実感が伴わない。私だけは特別で、いつまでも高みから世界の移ろいを傍観していたい想いで満たされる。
それは社会の苦役からの逃避願望とは違うもので、まさに窓の外を見ているように世界がガラス越しにしか感じられないという、とても穏やかな空虚感。別にそれが嫌いなわけでも、寂しいわけでもない。繋がりが欲しいのではなくて、むしろそんな浮遊している自分に酔っているという感覚。夜景というのは遠くから眺めるから美しいのであって、そのなかに没入しても楽しくなさそうな気がするのよね。

そんなわけで、歌詞カードの背景写真のチョイスはぴったりだ。この写真は新宿だね、おそらく東京都庁の展望台から南の方角を撮影したものだと思われる。
もっとも、新宿の灯は空が明るくなるまで消えることはないけどさ。

あと、ジャケットの由利さんは、後れ毛最強な髪型。これは狙いすぎだと思う。

世界はまわると言うけれど

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