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オタク

涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒシリーズの第四巻。

レビューが、何故に四巻なのかって?
訊くまでもないだろう。長門に萌えてしまったからに相違ない。

二次元ヲタの友人の姦計に嵌められてライトノベルというものを初めて読んだ。そして、ここに及んで所謂「萌え」という感覚を初めて味わった気がする。とはいえ、これから二次元の世界へ驀進・・・とは行かないと思う。(聖地巡礼までしておきながら何だが)
従って、ここに記念碑的にレビューを残しておくことにする。んもっふ

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動物化するポストモダン

私は今まで自分をオタクの端くれであると自覚してきたが、そうではないことが分かった。少なくとも、私は(私が属すべき1980年前後生まれで構成される第三世代の)ポストモダンなオタクではないということが、この本を読んで明晰に分かった。

私はガンダムオタクを自称しているが、モビルスーツの個々のモデルやキャラクターの細かい設定にはそれほど興味はない。私がガンダムに求めているのは、ニュータイプを軸とした富野由悠季の作り出した世界観である。人間とは何か、どう生きるべきか、という価値観に興味を持ち、この社会について論じるときもしきりにその世界観を参照していたりする。
それはまさに、本書で言うところの「大きな物語」の消費である。近代において機能してきた大きな物語は既に崩れたことには明晰に気づいているが、私はたとえばガンダムにその大きな物語に替わる物語を求めようとしていたのである。
その意味で、私のオタク性は第一世代(1970年前後生まれ)のオタクに近いと言えるかもしれない。

一方で、ポストモダンなオタクは大きな物語を求めることをしない、と東氏は言う。
彼らは快楽的感情を起こさせる設定をデータベース化し、そのデータベースから設定を組み合わせることで作り出されたシュミラークルに没入して楽しみを得る。本書の例示を使って分かりやすく言うなら、彼らは自分の「萌え要素」をデータベースとして分類整理し、アニメやゲームの作品中ではその萌え要素に従って萌えるのである。彼らは、何に萌えるのかを分析できるほど冷静であり、それが虚構であると知っている。だが、それでいながらその萌えに本気で没入できるのである。

この論は、私のオタクの友人たちを観察していれば実に良く分かる。彼らは現実と虚構を取り違えるほど倒錯してはいない。むしろ、二次元に没入していることについて、自虐的なジョークをかますくらい冷静に見つめている。
さらに私の実体験と照らし合わせてみると、現実的には意味がないことだと分かっていながら、ごく自然にそれらのサブカルチャーを楽しむことが出来るというオタクの姿にも納得がいく。限りなく変わりばえのしない特撮の戦隊モノやロボアニメを好んで視聴する彼らの傾向がまさにそれである。
そして、このポストモダンの性質を、私は持ち合わせてはいないことを理解できたのである。

このように、本書で書かれているオタクの特徴は、私が周囲に豊富にいるオタクたちの観察結果と合致しており、非常に興味深い。オタクの理解と研究をするための有効な理論モデルを得られる一冊だ。

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